今日はごくごく簡単に…
週刊誌の記事に韓国が揺れている。今月14日発売の週刊文春の最新号に掲載された「韓国の『急所』を突く!」という記事がそれ。
なんでも、安倍総理が「中国は嫌な国だが外交はできる。韓国は交渉もできない愚かな国だ」と語ったと総理周辺が明らかにしたのだという。
一体、どのようなシチュエーションでそんな発言をしたのか、くだんの記事を読んでいないから、分からないのだけれど、常識的に考えれば、たとえそれが事実であったとしても、一国の宰相が口にするには不謹慎に過ぎる。
ただ、国会等々での安倍総理の柔らかい言動を考えると、本当にこんな発言をしたのか、ちょっと俄かには信じがたいし、記事の取材源も明確にされていない。第一、本当にこんな発言を安倍総理がしたというのなら、他のメディア等もこぞって記事にするものと思われる。とりわけ、「安倍叩きは社是」とまでいう、どこぞの新聞が、こんなおいしいネタを放っておくとは思えない。
だけど、一日経った現時点では、他のメディアの後追い報道も見られない。15日には、菅官房長官が記者会見で、問題の記事について「そんなことを言うわけがない」と事実関係を否定している。だから、今回の記事は、唯のトバシという可能性も考えられる。
折しも11月15日に、日韓協力委員会合同総会が行われ、韓国の議員も来日している。唯でさえ、両国関係が冷え込んでいるときに、故意か偶然か、韓国の議員が来日するタイミングで、こんな記事を出して、波が立たない訳がない。
案の定、この記事を巡って韓国は猛反発。韓国メディアは、「本性があらわになった」「安倍がまた妄言」「韓国をおとしめる発言」などと批判。来日していた韓国与党セヌリ党の徐秉洙議員ら7人全員が、15日午前の開会式にのみ出席し、日本の議員らとの昼食会と総会をボイコットした。
韓国議員らは、「週刊文春の記事は韓日関係の悪化を招くもので、 深い憂慮を表明する。日本政府は記事の内容が両国関係に与える悪影響を十分に認識し、ただちに事実関係を明らかにするとともに、責任ある措置を取るべきだ」と声明を出している。
尤も、韓国政府は、今回の記事について、安倍総理直接の言葉ではなく、メディアの引用報道という点を挙げて公式な対応を自制する立場を取るとみられているのだけれど、安倍総理が直接語っているのは、韓国と対話したいというもの。
14日、安倍総理は、先に述べた日韓協力委員会のために来日した韓国与野党の国会議員と官邸で会談している。安倍総理はその中で、「韓国は、基本的価値を共有する重要な隣国だ。日韓関係は困難な状況にあるが、韓国で開催される冬のオリンピックや東京オリンピックを通じた協力など、さまざまな分野での協力を進めていくことが重要だ。…高いレベルを含めて対話を重ねていきたい」と述べている。
会談後、韓国与党セヌリ党の徐秉洙議員は、「会談では厳しい両国関係を打開する意思を確認することができた。内容は大統領に正確に伝えたい。一刻も早く両国の関係が正常化できるよう協力していきたい」と述べているから、それなりの手応えがあったと思われる。
それに、日韓協力委員会は、日本と韓国の協力、親善、友好及び相互理解を計ることを目的として1969年に発足した委員会で、今年の5月20日に行われる予定だった「50周年記念合同総会・合同レセプション」は、両国関係を考慮して延期になっていた。それが、ようやく今月開催に漕ぎ着けたということは、当時よりは、現状を打開したいと両国が思っていることを意味してる。
実際、安倍総理は、韓国議員との会談で「韓国は、基本的価値を共有する重要な隣国だ」と発言し、日韓協力委員会の合同総会開会式の挨拶でも、「日韓両国は、最も重要な隣国であります。1965年の国交正常化以降、両国は様々な課題を乗り越え関係を強化してきました。今後とも、日韓関係の更なる発展のため、ともに手を携えて協力していかねばなりません。特に、現下の東アジア情勢を考えた時、ともに米国の同盟国でもある日韓、そして日韓米3か国の緊密な連携は戦略的に大変重要です」とも述べている。
一方、韓国の朴槿恵大統領も、15日の日韓協力委員会に寄せた祝賀メッセージで、「両国は自由民主主義と市場経済の価値を共有する隣国であり、協力委員会が創意的な寄与をしてくれることを願う」と述べている。
つまり、両国首脳が共に「両国は基本的価値を共有する隣国だ」と述べているわけで、互いに相互理解の基盤はあると認識していることになる。
だから、たとえ表向きの言葉であったとしても、公式には、両国関係が改善できないことにはなってない。その意味では、今回の文春の記事は、明らかに両国の立場に水を差すものであることは間違いない。
少なくとも、今回の記事について、はっきりしていることは、韓国議員から名指しで批判され、日本政府からは「そんなことは言ってない」と否定されたこと。だから、文春は、今回の記事について、何らかの申し開きをする必要に迫られるかもしれない。



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