日本は資源大国になれるか
また、新資源が発見されました。
4月2日、山口大大学院理工学研究科の永嶌真理子准教授、東京大学物性研究所の浜根大輔博士、愛媛大学大学院理工学研究科の皆川鉄雄教授、冨田宣光氏、稲葉幸郎氏らの研究グループは、レアアースのランタンとレアメタルのバナジウムを含む褐簾石を発見したことを発表した。
この鉱物は、今年3月1日に、国際鉱物学連合(International Mineralogical Association:IMA)の新鉱物・命名・分類委員会(Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification:CNMNC)によって、褐簾石の新種として承認され、「ランタンバナジウム褐簾石/Vanadoallanite-(La)」と命名された。
レアアースの自然界における分布やどのような鉱物に含まれているのか等については、不明な部分が多く、各地で研究が進められているのだけれど、その研究ターゲットの一つが日本の秩父帯という地質。
この地帯は、海洋底堆積物が弱い変成を受けた後、地表に上がってきた地質で、付加体と呼ばれる。付加体は、昨今、話題となっている南鳥島近海の海底で発見されたレアアース泥の数億年後の姿に相当すると考えられているのだけれど、秩父帯に産出するレアアース鉱物の探索は遅れていた。
そこで研究グループは、秩父帯に属する地質で、小規模な鉄(Fe)-マンガン(Mn)鉱床が存在する三重県伊勢市矢持町の山中を調査したところ、平成23年4月に、今回の新種の「褐簾石」が発見された。
褐簾石とは、京都の大文字山に産する結晶の外観から命名された和名で、褐色をした簾のような石という意味を持つ。1903年(明治36年)に名付けられた。
一般的な褐簾石はレアアースの他にトリウム(Th)やウラン(U)を含んでいて、それらの放射線のダメージで結晶構造が壊れていることが多いのだけれど、今回の産地の褐簾石はトリウム・ウランを持っておらず、結晶構造はしっかりと保たれているという。
研究グループは、今回の「ランタンバナジウム褐簾石」に含まれるレアアースは、ランタンが最も多いものの、セリウム、プラセオジム、ネオジムなども同時に含まれているとし、秩父帯の中にはレアアース鉱物がまだ眠っている可能性がでてきたとコメントしている。
そして、平成20年度から、経済産業省から委託を受けたJOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が、沖縄本島から北に約100キロに位置する伊是名海穴内のモデル鉱床に、金や銀などの鉱物資源が眠っているのを発見している。
資源成分は、銅:0.33%、鉛:2.52%、亜鉛:7.25%、金:2.63g/t、銀:216g/tで、掘削した121孔のコアサンプルから、計算した推定資源量は340万トン。この資源量は、陸上の黒鉱鉱床で、既に閉山された秋田県の「深沢鉱床」とほぼ同規模。
更に今年1月から2月にかけて、平均50mの深部掘削した9孔のうち2つで、硫化鉱の存在が確認され、海底面下30mより深い深度に、海底熱水鉱床が相当大規模に存在するのではないかと推測されている。
JOGMECは、新鉱体を含む鉱床全体の正確な鉱体規模を把握するため、深部掘削調査を継続していく予定だという。
ここの所、メタンハイドレードによる試験生産といい、レアアース泥の調査といい、今回の新レアアース鉱石の発見、海底の鉱物資源など、新発見が続いている。
海底、又は太古に海底だった地層には、豊富な海底資源が眠っている。その意味では世界6位の排他的経済水域を持つ日本は、資源の宝庫だと言える。これら資源を開発し、日本は資源大国になれるか。



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