東京工業大学の今田高俊教授によれば、学歴と所得、職業威信と所得、学歴と職業威信の相関係数を算出しながら、高度成長期の1960年代には各々の間の相関は取れなくなっていたけれど、バブル期の1980年代からは相関が高まり、階層化がみられるようになってきたと述べている。
[Asagi's photo]より
ひらたくいえば、高度経済成長期はみんな貧しいところからスタートして、なんでもかんでも儲かったから、職種を問わず誰でも給料が上がったけれど、高度経済成長が終わって、バブル経済に突入すると、地価高騰と株式投機による暴騰が起こって、土地や株などの資産を持っている人がどんどん金持ちになり、そうでない人はそのまま置いておかれたことで格差が発生し、それがはっきりと実感されていったのだということ。
各種職業の平均年収と先の職業威信スコアを比較して相関を調べてみると以下のとおり。
職威 年収 職業
90.1 1104.2 医師
90.1 1164.8 歯科医師
86.9 846.00 弁護士
84.3 1125.0 大学教授
84.3 878.20 大学助教授
84.3 766.70 大学講師
82.5 802.40 船長・航海士
82.5 608.60 甲板長・機関員
82.5 1308.0 パイロット
74.9 2896.0 国会議員
72.0 599.10 一級建築士(建築・土木技術者)
72.0 676.80 研究者
70.8 831.00 公認会計士
70.8 831.00 税理士
70.8 527.10 不動産鑑定士
70.0 601.90 キャビンアテンダント
67.2 2291.0 管理的公務員(局長クラス)
67.2 1534.0 都道府県議会議員
67.2 759.80 市区町村議会議員
67.2 1886.0 独立行政法人の長
67.2 1596.0 独立行政法人理事
66.3 401.50 プログラマー
65.7 562.90 獣医師
65.7 512.70 薬剤師
64.6 411.30 デザイナー
63.6 776.90 高等学校教員
63.6 742.40 公立小中学校教員
59.7 341.90 栄養士
59.7 528.90 看護師
58.3 380.80 塾講師
58.3 333.40 幼稚園教諭
57.9 688.20 海上保安官
57.9 813.50 警察官
57.9 717.90 消防士
53.1 381.80 大工
53.1 401.20 とび職
52.2 894.60 記者
51.6 346.70 調理師
51.3 613.20 電車運転手
49.7 266.30 美容師
49.7 266.30 理容師
48.9 402.00 普通・小型トラック運転手
48.9 391.80 自動車整備士
47.8 576.20 電車車掌
47.2 358.70 保険外交員
44.0 330.20 百貨店店員
39.0 222.00 ビル清掃員
78.1 1811.0 会社役員
56.0 435.00 サラリーマン全体平均
58.0 738.30 大企業サラリーマン
35.0 106.00 フリーター
※ 年収は年収ラボWEB(http://nensyu-labo.com/)を参照した。
ここで、職業威信をY軸に、収入をX軸にとって、各業種をプロットしてみると、威信が高いほど、収入も高くなる正の相関があることが分かる。
本シリーズエントリー記事一覧
格差について考える その1 「格差とは何か」
格差について考える その2 「職業選択と職業観」
格差について考える その3 「職業の格付け」
格差について考える その4 「職業威信と収入の関係」
格差について考える その5 「健全な日本社会」
格差について考える その6 「年収300万円の世界」
格差について考える その7 「市場原理が働くプロの世界」
格差について考える その8 「主観的職業威信」
格差について考える その9 「職業の魅力」
格差について考える その10 「派遣会社の職業威信」
格差について考える その11 「中途採用と専門性」
格差について考える その12 「自己評価と他己評価」
格差について考える その13 「わが道を行く栄光なき天才たち」
格差について考える その14 「好きこそものの上手なれ」
格差について考える その15 「今を変える、未来を変える」
格差について考える 最終回 「祝福のこころ」



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