昨日のエントリーの続きを極々簡単に…
昨日のエントリーで取り上げた、フィリピンのアキノ大統領ですけれども、6月5日、東京での日本記者クラブの会見で、「自衛隊が南シナ海でパトロールをし、航空機が比軍基地での給油を求めた場合、施設を使わせるか」との質問に対し、「この件は(4日の)首脳会談で議論した。訪問軍協定に向けた議論を始めるつもりだ」と明言しました。
軍事訪問協定(Visiting Force Agreement)とは、他国に入国する自国軍兵士の法的地位を規定するものなのですけれども、アキノ大統領が述べているとおり、6月4日に行われた、日比首脳会談でこの軍事訪問協定の協議を開始することが決まっています。
以前、「南シナ海をめぐる新たな攻防」のエントリーで、南シナ海を自衛隊がパトロールする話が進んでいることについて述べたことがありますけれども、実際にパトロールを行うとなると、当然ながら、航空機の航続距離の制約という問題がでてきます。
要するに、パトロール先が遠ければ遠いほど、肝心のパトロール時間が短くなっていくのですね。
確か、小説「永遠の0」で、ラバウル航空隊がガダルカナル島攻略に向かうとき、主人公の宮部が「巡航速度で3時間はかかる。ガダルカナル上空では戦闘時間は『10分少々』だろう。帰りの燃料を考えると、それ以上の空戦は危険だ」と呟くシーンがあったように記憶しているのですけれども、丁度、あんな感じです。
けれども、もし、パトロール先で燃料補給が出来るとしたら、そのパトロールは全然違ったものになります。つまり、余裕をもった計画と体制が組めるのですね。
今回、協議が開始される、日比間の軍事訪問協定は、実際パトロールが行われるようになったときの補給や、対中国で有事が発生したときに、フィリピン海軍および空軍基地使用を可能にする為のものなのですけれども、自衛隊による南シナ海のパトロールを実効性のあるものとするためには必要不可欠な協定だと思いますね。
昨日のエントリーでも触れましたけれども、中国は南シナ海のスプラトリー諸島で大規模な埋め立てを進めています。
これに対抗するため、フィリピンは抑止力の強化を図るため、スプラトリー諸島に面したパラワン島オイスター湾の海軍基地の整備を「最重要課題」と位置付け、日米やベトナムの艦船が基地を利用できるようにする方針も打ち出しています。
フィリピンは、港と島の中心部をつなぐ12キロの道路のほか、埠頭や給油施設などを50億ペソ(約134億円)かけて整備し、拠点基地にする計画を立てているようで、ロイター通信は、日本もその周辺インフラの整備に資金協力する可能性があるとしています。
スプラトリー諸島には、フィリピンが実効支配するパグアサ島という島があるのですけれども、中国は、ここからわずか25キロ離れたスービ礁の埋め立てを進めています。
これに対して、フィリピン軍は、パグアサ島にある全長1200メートルの滑走路の改修を急ぎ、基地機能を強化する方針を出していますけれども、ある意味、ここが対中国の最前線となる可能性があるのですね。
フィリピンは、4月に、このスービ礁近くでフィリピン軍の軍用機が中国艦船から強い光を照射され「ここは中国領だ。出ていけ」と通告され、同様の行為を過去3ヶ月で、少なくとも6回行ったとしています。
また、最近も、スプラトリー諸島ジョンソンリーフ付近を航行していたフィリピン漁船が、中国の艦船から警告発砲を受けたという報道もあるようです。
もう既に、スプラトリー諸島は半ば戦場と化していると考えたほうがいいのかもしれませんね。
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白なまず