昨日のエントリーに関連して…
中国漁船が尖閣海域に侵入するという話が挙がっている。中国紙・人民網は、中国の東シナ海における禁漁期間が北京時間16日正午に終了し、漁船1000隻あまりが尖閣諸島の魚釣島付近で操業を行う可能性があると報じている。今の段階では、可能性という言い方だけれど、わざわざこんなことをいうからには、半分以上は本当にやるぞという警告だと見た方がいい。
それに、台湾では大規模な尖閣抗議活動が予定されていて、100隻を超える漁船が尖閣近海に侵入する予定だという。また、台湾紙・中国時報によれば、台湾の海洋巡視部局の責任者が、もしも9月下旬に漁民、あるいは台湾の議員が尖閣諸島上陸を希望するなら、特殊勤務隊員を派遣して日本側の妨害を排除すると約束したと伝えている。
もう尖閣に関しては、準戦時体制と考えるべきなのではないか。
その尖閣の護りについて、自民党総裁選候補はそれぞれどのように考えているかについて、産経が記事にしているのだけれど、次に引用する。
安倍晋三元首相 中国には共産党の一党支配を支える2つの柱がある。経済成長と愛国主義教育だ。愛国教育が反日になってしまったことに大きな問題点がある。中国が尖閣周辺の資源を求めているから、われわれは島自体の管理を強める必要がある。中国漁船が尖閣に押し寄せたとき、上陸は断固阻止すべきだ。「領土、領海、私たちの誇りに手をつけたら絶対に許さない」という強いメッセージを出すことで紛争を防ぐことができる。と、安倍、石破、町村氏は、国有化だけではなく、施設の建設などもっと実効支配を強化すべきだとしているのに対して、石原氏が国有化そのものに疑義を呈し、林氏は野田首相が考えること、と一歩引いた見解を述べている。
石破茂前政調会長 わが国固有の領土である尖閣の実効支配を強めるには、国有化だけでは意味がない。漁業者の安全を守るため、船だまり(漁船の待避施設)の整備も一つの考えだ。中国は経済的に重要な国だが「中国への輸出が減り、中国からの観光客も減った。だから実効支配を控える」との考え方を採らない。主権を少しでも譲ると、その国はすべてを失う。海上保安庁の能力向上や領海侵犯に対する法整備などやるべきことをやる。
町村信孝元官房長官 尖閣の船だまりの整備は当然検討すべきだが、それだけで実効支配が強められたことにはならない。公務員だけが尖閣に常駐して「実効支配を強化した」といえるのか。日米関係の強化、自衛隊や海上保安庁の人員・装備の充実などを含め全体的に考えないといけない。反日デモの激化で在留邦人に被害が出ていることから、玄葉光一郎外相は一刻も早く中国に飛んで、中国政府と厳しい交渉をやるべきだ。
石原伸晃幹事長 中国の在留邦人が身の危険を感じており、中国政府は守る義務がある。中国は世界第2の経済大国になった。先進民主国家と同じことをしてもらう。事態を沈静化させなければならない。国有化に反発が出ていることをもう1回立ち止まって考えなければならない。国というのは中国にとって最大だ。東京都は格下だ。私が「中国は尖閣に攻めてこない」と発言したのは、中国当局もこの事態を収めたいと思っているからだ。
林芳正政調会長代理 このような騒ぎになってから「日本政府は何もできなかった」というのは最悪だ。右手(外交)で握手をしながら、左手(海保・海上自衛隊)で拳を握りしめるという状況だが、最後は野田首相がどうするか決めなければならない。左手と右手の連携が必要だが、日中間で双方の右手の情報が一致していないように感じる。日中トップのホットラインで解決することができるかどうかは、トップ同士の胆力にかかっている。
筆者が特に気になるのは、石原氏の発言で「中国は尖閣に攻めてこない」とした部分についてなのだけれど、9月11日、石原氏はテレビ朝日の番組で、政府の尖閣国有化について、領有権を主張する中国側が「攻め込んでくるのでは」と問われ、「攻めてこない。誰も住んでいないんだから」と発言している。
この時点では、中国が尖閣に攻めてこない理由は「誰も住んでいない。」だったのが、何時の間にか「中国がこの事態を収めたいと思っている。」に変わっている。逆にいえば、今は、収めなければいけない事態にあるということだから、これはとどのつまり、攻めてきているということではないのか。釈明にしてもちょっと苦しい。
この石原氏の「中国は尖閣に攻めてこない」発言については、父である石原都知事が、定例会見で「背景があって言ったんだよ。中国と日本の軍事力には大差がある。中国の航空母艦なんてナンセンスだ。そういう背景を考えるのが記者諸君の仕事だ」と庇っていたけれど、何も攻めるのは軍隊・軍艦だけとは限らない。
漁船に軍人を乗せて上陸させるなんてのは中国の常套手段。一旦上陸してしまえば、それは既成事実になる。それを足掛かりにして次の手を積み重ねてゆく。それも攻めの手。なにも軍隊同士でドンパチやるだけが戦争じゃない。
だから、戦闘能力の対比を持って、中国は尖閣に攻めてこないというのは非常に条件を限定したときの発言で、それ以外の状況を想定していないのなら、日本は到底守れない。
7月12日のエントリー「目前に迫る尖閣有事」で、中国の「人民解放軍政治工作条例」に定められた「三戦」について触れたけれど、これらを仕掛けられた時点で「攻めてきた」という認識を持たないといけない。
「三戦」とは、「輿論戦、心理戦、法律戦」の3つを意味し、それぞれ次のような戦い方を取る。
「輿論戦」…いわゆる情報戦のこと。自国に有利な情報を流し、都合の悪いことは隠す。要するに、弾を打ち合うだけが戦争ではないということ。その意味では尖閣なんかとっくに戦争状態にある。
「心理戦」…投降勧告などの「宣伝」や軍事演習などの「威嚇」などで相手の士気を挫く。
「法律戦」…法律を持ち出して、相手の違法性を暴き出して受け身の立場に追いやる。
9月13日、人民解放軍の将官10人が魚釣島について共同声明を発表している。声明文はこちらを参照いただきたいのだけれど、10人が声明で述べている尖閣に対する対抗策をみていくと、見事にこの三戦に沿っていることがよく分かる。
羅援少将:このように、10人の発言内容は、それぞれ三戦のどれかに分類できると思うのだけれど、筆者には、その三戦を具体的にどうやるのかという方法をリストアップしておいて、それを10人がそれぞれ分担して発言させているように見える。それほど、ありとあらゆる方向からの攻撃方法に見える。
国際社会において日米を国際司法裁判所に提訴し、琉球問題をめぐって日米とやり合う。(法律戦)
軍事面の用意もし、必要であれば釣魚島を軍事演習、ミサイル発射試験のエリアに組み入れる。(心理戦)
彭光謙少将:日本ははけ口を見つけるため、中国に対して一連の挑発行為を行った。中国の13億人の人々は心を一つにし、団結し、決意、意志、能力を示し、対抗しなければならない。(心理戦)
楊運忠文職将軍:
自らが長期にわたって優位に立っていた中日の力関係が変化したことに、日本は不満を抱いている。世界を見ると、米国は戦略の重心を東に移し、日本をサポートしている。これらの状況が変わらなければ、中日間の釣魚島紛争が静まることはなく、さらにエスカレート、悪化する可能性も高い。(輿論戦)
喬良少将:
米国は中国周辺で面倒を引き起こし、中国が戦略的チャンスの時期を失うよう仕向けている。(心理戦)
中国は釣魚島を地方政府に帰属させ、入札募集という方法で島を中国の不動産開発業者に売ってもよいだろう。(法律戦)
張召忠少将:
中国はこのほど釣魚島およびその付属島嶼の領海基線を公表し、そこが中国の主権範囲であることを表明した。島に上陸する者がいれば逮捕し、進入する船があれば撃沈することができる。(法律戦)
王海運少将:
日本が100年あまり、特に第二次世界大戦中に行った侵略行為を完全に清算する「戦略的戦役」を発動させるべきである。(心理戦)
鄭明少将:
日本は中国脅威や中国海軍脅威を誇張するが、実際は中国を見下し、中国は攻撃してこないと見ている。いかに中国の実力を見せつけ、対抗するかは、現在と長期にわたって検討すべきことである。(輿論戦)
黄林異少将:外交の話し合いで解決できなければ、小規模な軍事対立もあり得る。中日間の摩擦の拡大を防ぐ唯一の方法は日本が譲ることだと思う。(心理戦)
趙英富中将:
中国はまず漁船を漁に行かせ、海洋監視船と海事船を進め、その後に海軍を派遣することができる。(心理戦)
釣魚島問題において台湾と第3次国共合作を行ってもよいだろう。(心理戦・輿論戦)
徐光裕少将:
釣魚島で軍事衝突が発生すれば、日本は米国に助けてもらえると思っているが、これは日本側の一方的な願望だと思う。(心理戦)
だから、日本もこれらの「三戦」の攻撃に対して、ひとつひとつどう対応するかを検討し、反撃しなくちゃいけない。
事実、中国は漁船による抗議活動を準備しているけれど、これは、先にも述べた趙英富中将の心理戦だし、9月12日には、東シナ海に面した福建省で中国軍が島への上陸訓練を行なっていることが報じられている。これなども正に、羅援少将が声明で述べた心理戦の一環。
だから、もうとっくに尖閣は攻められている。そう認識しなくちゃいけない。だから、石原伸晃氏の"攻めてこない発言"は、本気だとすれば、あまりにも認識が甘すぎる。


この記事へのコメント
日比野
だから、この事態になる前の掃海"訓練"が有効だったと思うんです。もう現段階で機雷封鎖してしまうと仰るとおり、宣伝に使われてしまいますから、駄目です。手遅れです。
その上で有効な手となると、まず上陸させないのが最善で、次に上陸させてしまってからどうするかですけど、1000隻全部上陸することはなくても、四方八方から10隻づつくらい繰り返し突入することは十分有り得えます。海保の巡視船10隻20隻くらいでは防ぐのは無理だと思います。
なので、一部上陸させてから、周囲を巡視船で固めて事実上の海上封鎖。小田原水攻め状態で睨みあいしかないかと。
海上封鎖に機雷を使うのは、軍事行動になるというのはそのとおりです。この部分については撤回します。ただ、なんらかの方法で漁船群を上陸組と海上待機組とに分断させる必要があると思います。
sdi
北京の党中央はし、制服を着た兵士や軍艦旗を掲げた艦船を日本より先に尖閣諸島に投入しないでしょう。今後とも、漁船や漁政局の船や海上警察の船であり、彼らは日本より先に軍事力を行使するつもりはありません。貴殿の提案する機雷封鎖は軍事面で考えたらそれが一番双方の犠牲者のすくなくてすむ方法です。しかし、軍事力の行使に違いはありません。
国際輿論というより欧米の国内世論のノイジーマイノリティーのリベラル派市民に「日本が尖閣海域に機雷敷設し海域封鎖するのは軍事行動ではなく密入国者を逮捕するための警察行動である」ことを納得させるレトリックを用意しなければ「戦闘に勝って戦争に負ける」ことになりかねませんよ。日本が尖閣に海自の敷設艦か掃海母艦が付いた時点で、まってましたとばかりに宣伝戦に打って出るでしょう。まして、敷設された機雷で中国の「漁船」が沈んで「行方不明者」が発生した、と全世界に報道されたらどうなります?日本国内が真っ先に「反戦」デモだらけになりますよ。人民軍の意図する超限戦の罠に真っ向から嵌りにいくだけでは?。
残念ですが、こちらが体制を整えて準備するまえに事態がエスカレートしてしまっ
とおる
・広東の企業幹部が「尖閣諸島は日本領土」、中国版ツイッターで発言、人民日報記事など証拠挙げ、賛同広がる - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120825/chn12082501150000-n1.htm
「1949年から71年まで中国政府は釣魚島(尖閣諸島)を日本の領土と認めていた」
日本領有を示す53年1月の中国共産党機関紙、人民日報の記事や、複数の公式地図など根拠を挙げている。
クマのプータロー
ちび・むぎ・みみ・はな
のは安倍晋三だけではないか.
支那から見れば差は歴然.
石破茂が言っているのは法整備であり, 目の前の
危機を防げとは言っていない. 泥棒を目の前にして
民法を改正しなければ守れないと言っているのと同じ.
同氏は, 過去にも, 友人のいる人民解放軍とは戦いたく
ない等の問題発言をしており, 防衛を重視している
政治家だと言う風評とは裏腹. 戦えない軍事お宅だ.
港のことを云々する時点で同氏は慎重居子の町村信孝
や頭の回り過ぎる石原伸晃と50歩100歩である.
林芳は支那を相手に何か勘違いしている.
本当に政治家なのか.
我々が「国を守る政治家」を望むのであれば,
安倍晋三以外にはない.
支那のような情報国家に対して大事なことは, 国土を
守る決意のある政治家が選ばれるという事実である.
国際政治と言うものはこの様な国民の意志で平和を
維持するものだ.
SAKAKI
島を占領されたら軍隊が出てきて終わりと考えているようですが、あの孤島を守るのにどのくらいコストがかかるのか、その補給をどうするのか・・まして漁船レベル千隻も係留できるのか、その間に台風が襲ったらどうするのか・・
軍を指揮する側としたら、いちばんやってほしくないことなんですが、中国のレベルじゃねぇ・・・
白なまず
日本語が喋れない中国人が運転免許を貰い運転していて、事故の対応も出来ないような
中国人が居ると言う事です。さらに、在日中国人が無免許、車検なしの車で事故を起こしているようです。外も大変ですが、国内の問題もかなり怖い。
【坂東忠信】発覚した新たなる在日外国人問題[桜H24/9/13]
http://www.youtube.com/watch?v=CxtsoAmv054&feature=relmfu